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あなたはどのタイプ?ラブスタイル類型論で知る恋愛のカタチ

2022.02.14

From_Muza

今日はバレンタイン。
せっかくですから、みんな大好き恋愛のお話です。

LOVE

誰しも興味のあるテーマであり、古今東西あらゆる人が一家言を持っているといっても過言ではない「恋愛」
音楽家もまた、様々なかたちの恋愛を作品に込めてきました。

にもかかわらず、心理学において恋愛についての実証研究が進んだのは意外にも20世紀中ごろと言われています。今日ご紹介するのは「ラブスタイル類型論」
カナダの心理学者ジョン・アラン・リーは、人が恋愛に対してとる典型的な態度を6つに分類しました。

ルダス (Ludus)
遊びの恋愛(game-playing,uncomitted)とされ、次のような特徴がある。恋愛をゲームの駆け引きのように楽しみ、相手を次々に取り換えていこうとする。相手に深く関わらず、複数の相手とも付き合える。そのために相手を騙したり、重要な自己情報を開示しないことがある。自分のプライバシーに踏み込まれることを嫌う。交際相手に執着しないため、嫉妬や独占欲を示すことはあまりない。

プラグマ (Pragma)
実用的な恋愛(practical,calculating)とされ、次のような特徴がある。計算高い。恋愛を自分の目的達成の手段と考えている。高い社会的地位に就きたいなどの目的にそって恋愛相手を選ぼうとする。愛を望ましい属性の買い物リストのように感じる。お見合いやコンピュータによる相性判定などもこの型の恋愛といえる。

ストルゲ (Storge)
ストーゲイとも表記される。友情の恋愛(friendship)とされ、次のような特徴がある。長い時間をかけて愛が育まれ、長続きする関係を持つ。友情のように穏やかで、親密さに基づいた恋愛をする。恋愛に友情や仲間意識に近い感覚を持つ。友達関係からの進展が典型例で、パートナーに対して、情熱的な愛情や独占欲・嫉妬はあまり感じない。

アガペー (Agape)
愛他的な恋愛 (altruistic,giving)とされ、次のような特徴がある。自己犠牲的で相手に尽くすタイプの恋愛をする。相手の利益を第一に考え、自らの犠牲を厭わない。見返りを求めない献身的な愛。

エロス (Eros)
情熱的、エロティックな愛 (passionate,erotic)とされ、次のような特徴がある。情熱的で性愛的。恋愛の本質をロマンスと考える。恋人の外見に強烈な反応を示し、強い一目ぼれを起こす。恋愛を至上のものと考えていてロマンチックな考えや行動をとる。運命を感じやすく直観に依拠した恋愛をする。強い身体的魅力、強い情動、容姿の好み、関係の結びつきがエロスを定義するときの中心核となる。

マニア (Mania)
偏執狂的な愛(obsessional)とされ、次のような特徴がある。情熱的で相手に強迫的にのめり込む。独占欲が強く嫉妬深い。相手の愛情を何度でも確かめたがる。「病的な愛」(”symptom”love)と呼ぶ研究者もいる。マニアの体験する恋愛感情は強烈であり、快楽と苦痛が交互に現れる。

出典:Wikipedia ラブスタイル類型論

いかがでしょうか?これまでの恋愛に当てはまるものはありましたか?
この研究は、文学や哲学、歴史書など膨大な文献研究から恋愛の類型を抽出したものだそうです。
恋愛は個人の体験なので、完全な再現性はないと思いますが、それでも、こういう傾向があるなあーぐらいは感じるものがあるのではないでしょうか。
私、このタイプだわと思っても言わなくて大丈夫です。心に秘めておいてください(笑)

LOVEな気持ちにどっぷりと浸りたい

さて、2月26日に行われる「ホールアドバイザー小川典子企画《女の愛と生涯》」は、まさにLOVEをど真ん中のテーマにしたコンサートです。
しかも、世界の超一流の詩人と音楽家が作り上げた恋愛の歌。間違いなく、ささります
実際の詩や音楽は、ぜひホールでご堪能いただけたらと思いますが、ちょっとだけ内容をご紹介。

コンサートタイトルにもなっている歌曲集「女の愛と生涯」(曲:シューマン 詩:シャミッソー)に描かれているのは、「理想の男性と結婚して子どもを持つのが女の幸せ!」という、現代から見れば少々古典的な価値観の恋愛。男性が理想化されすぎているような気がしないでもありませんが、こんな人と出会えたらそれは幸せだろうなと思うような、ちょっと恥ずかしくなっちゃうようなキラキラな思いが溢れ出ている歌詞です。

「野ばら」(曲:シューベルト 詩:ゲーテ)はちょっと残酷な歌。上の類型でいうと「ルダス」に近いかなと思います。乱暴に折られてしまう悲しい花は、女性が踏みにじられたという暗喩のようにも聞こえる歌詞です。
同じくシューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン」は、ゲーテの「ファウスト」から。大好きな人に会えない苦しさ、切なさは辛いものですが、これこそ恋愛の醍醐味とある意味では言えるのかもしれません。シューベルト&ゲーテでもう一つ、「ズライカ」という曲は道ならぬ恋のひそやかな逢瀬への期待を描いています。こうしてみると、なんだかゲーテの詩に出てくる男性は女性を悲しませてばかりのような気がしますが・・・気のせいでしょうか・・・。

溢れる愛情に包まれた幸せを描いた曲もお届けします
「あすの朝(Morgen!)」(曲:R.シュトラウス 詩:マッケイ)はその最たるものでしょう。類型で言えば「ストルゲ」に近いかもしれません。
瞳を合わせ、ただ静寂の中に親密な空気が流れている関係。「私のこと好き?ねえ?好き?」なんていちいち聞かなくてもわかってる。明日の朝も、たぶんその先の未来もずっと、疑いようのない愛が二人を包んでいるんだろうと思わせるような、もうなんていうか幸福感しかない曲。

このほかにもクララ・シューマンやメンデルスゾーンの曲も含め全12曲を演奏。ソプラノ歌手 市原愛さんの歌、小川典子さんのピアノでたっぷりとドイツ歌曲の美しい響きをお楽しみください。加えて、江原陽子さんの朗読により作品世界へみなさんを導きます。開演前には音楽評論家 奥田佳道さんと小川典子さんによるプレトークも。

寒い季節だからこそ聴きたい、愛の言葉と音楽。
「ラブスタイル類型論」で言えば、この恋はどの傾向かな?なんて考えながら聴くのも面白いかもしれません。
もちろんあなたの心の中も点検しながら・・・。

公演詳細はこちら

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