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HOME  / ブログ / インタビュー / 【サマーミューザ特別連載】指揮者に聞く、10の質問!〔松本宗利音さん〕

【サマーミューザ特別連載】指揮者に聞く、10の質問!〔松本宗利音さん〕

日本音楽界の新時代を彩る指揮者が集結する今年のサマーミューザ。
そんな指揮者の皆さんに、10の質問へご回答いただきました!

第3回目は NHK交響楽団公演を指揮する松本宗利音(まつもとしゅうりひと)さん!

札幌響や大阪フィルの指揮者としてキャリアを積んでいらっしゃる、今注目の若手指揮者のお一人です。

こちらを見つめる松本しゅうりひとさんの写真。

1)指揮者になろうと思ったきっかけはなんですか?

シュウリヒトという名前が、「指揮者」になりたい、という気持ちを意識しないうちに作っていったのかもしれませんね。
僕自身も高校を選ぶ時に、京都市立堀川音楽高校に日本で唯一指揮専攻がある事を知り「指揮者」っておもしろいなぁと軽い気持ちで受験しました。高校に入ってからレコードやCDを集め聴くことにハマり、カール・シューリヒトを始めいろいろな指揮者の演奏を聴き漁ったことが「指揮者」をきちんと意識した最初かもしれません。

2)指揮者でなければ何の仕事をしていたと思いますか?

中学生のころ淡水魚(川や湖に棲む魚)の魅力にとりつかれ、そのことについて書いた自由研究が大阪府に表彰されたこともあります。今でも川があると気になるので、淡水魚の研究者になっていたかもしれません。
機械弄りが好きなので、バイクの整備士なんかもカッコいいなぁと思います。

真ん中に淡水魚が一匹、奥に自由に泳ぎ回る魚たちが写っている。

愛車のバイク。

バイクをいじりながら愛犬と戯れる松本さん。

3)オフの⽇のリフレッシュ⽅法、過ごし⽅を教えてください。

温泉めぐりです。

できるだけ人の少ない秘湯に行くのが好きです。
今まで行った中で良かったのは、十勝川温泉、塩原元湯温泉、赤倉温泉、十津川温泉、霧島温泉、のぼりべつ温泉などなど。関東は東京や埼玉の近場でも、いいお湯が多いので楽しかったです。

今は大阪に住んでいるので、三重や奈良まで少し足をのばしてリフレッシュしています。近いうちに、旧日本軍が掘り当てたというタイのヒンダート温泉に行ってみたいです。

真ん中に「のぼりべつ温泉地獄谷」という棒状の看板。澄み渡るような青空の下、岩肌が目立つ山と湯煙が写っている。

4)作品に取り組むとき、一番最初にすること、大切にしていることは何ですか?

最初にスコアを開きます。
大切にしていることは、自分の中に鳴っている音、流れている音楽を大切するということです。

5)「サマーミューザ」はどんな⾳楽祭だと感じますか?

川崎という場所に沢山のオーケストラ(関東圏外も!)が集まって、例年とても盛り上がっている音楽祭だと思います。
ミューザはとても響きのいいホールです。色々な指揮者、オーケストラをミューザで見られるということがとても素敵な企画ですね。

6)今回演奏する曲のここは絶対聴いて!という「推し」ポイントを教えてください!

メンデルスゾーンの交響曲第3番を推したいです。
彼は絵を描くことが好きで、天才的な腕を持っていました。
交響曲第3番の着想を得た時も、同時に沢山の風景画を残しています。
絵と音楽はとても密接に関わっているのは皆さんご周知の通りですが、所謂ロマン派の時代に生きた彼が残した、いつの時代にも流されない普遍的で美しい風景画を見ると、彼の心の純粋さ素朴さを感じずにはいられません。

スコットランドといえばウィスキー!
札響指揮者だった時に何度か遊びに行った余市蒸留所を想い出します。

オホーツク海から太陽が昇るところ。濃い紺色の空の中、水平線の際がオレンジ色にそまっている。
札幌交響楽団とは、北海道の各地で演奏会をしています。旅の途中で、オホーツク海の日の出を見て感動しました。

7)今回共演するオーケストラ&ソリストの印象やエピソードがあれば教えてください!

ソリストの阪田さんは、東京藝術大学の同期です!
最初のソルフェージュが同じクラスで、青島広志先生のとても楽しい授業だったのを思い出します。
阪田さんの奏でる音楽は、素晴らしいテクニックと多くの知識量に裏付けされた、核心をついたものだと思います。

グレーの背景にこちらをにこやかな表情で見る阪田さんの写真
大学時代から親しいという松本さんと阪田さん。実は、太田弦さんも同期!©Ayustet

N響さんとは初めての機会です。
僕にとってもNHK交響楽団は、やはり小さい時からテレビでいつも見ていたオーケストラです。
日本の音楽業界を引っ張ってきた存在ですし、歴史もあり、たくさんの素晴らしい指揮者と共演しているのを、映像や録音を通しても見てきました。
とてもいいプログラムで共演できることを幸せに思います。
どんなオーケストラと共演するときも同じですが、あまり気負いすぎてもいけませんから、リラックスして臨みたいと思います。

NHKホールに整列するオーケストラメンバーの写真

8)デビュー以来さまざまなオーケストラと共演を重ねていらっしゃいますが、はじめてのオーケストラと演奏の際、気を付けていらっしゃること、大切にしていらっしゃることなどを教えてください。

指揮者にとって一番大切なことは、その作曲家がどの様に演奏して欲しかったのかを、オーケストラに伝え共有することだと思います。
そして、ただ一方的に伝えるものではなく、オーケストラから伝わってくる音楽を察知することも大切な仕事です。
お互いの“共感”によって音楽づくりをする必要があります。
一般的には慣れたオーケストラと演奏するときの方が、お互いに共感できることが増えるとされていますが、実際は減ることだってあるかもしれません。
そういった意味では、初めてのオーケストラも、何度も指揮したことがあるオーケストラも、あまり違いはないように感じます。

9)「こういう指揮者になりたい」という理想像はありますか?

もう15年以上前に亡くなりましたが、祖父は広島でせんべい屋を営んでおり、90歳になってもなお、現役でせんべいを焼いていました。
自分もその歳になっても現役でありたいと思います。
それが理想です。

10)お客様へのメッセージをお願いします!

とても幸福感溢れるプログラムです!
是非ご来場ください!

NHK交響楽団

NHK交響楽団。今聴きたい!しゅうりひと&阪田のラプソディー・イン・ブルー!8月4日月曜。15時開演。プレコンサート14時15分から。指揮、松本しゅうりひと、ピアノ、阪田知樹。詳細ページへリンクします。

公演詳細はこちら

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