【サマーミューザ特別連載】指揮者に聞く、10の質問!〔熊倉 優さん〕
日本音楽界の新時代を彩る指揮者が集結する今年のサマーミューザ。
そんな指揮者の皆さんに、10の質問へご回答いただきました!
連載第2回目は東京都交響楽団公演を指揮する熊倉優(くまくらまさる)さん!
2018年にサマーミューザ初登場以来、3回目の出演です。日本でのキャリアを着実に積むと同時に、現在はドイツ・ハノーファー州立歌劇場の第2カペルマイスターとして活躍されています。
日本での人気も高まっている熊倉さんに迫ります!

1)指揮者になろうと思ったきっかけはなんですか?
ジュニアオーケストラでヴァイオリンを弾いていたのですが、本番どころかリハーサルでも手が震えるほどの緊張しいで、音楽家に憧れはあるものの演奏家は無理だろうなと思っていた時に、自分が弾いている目の前の楽譜の曲を作った作曲家、そしてオーケストラを率いる指揮者、この2つの音を出さない音楽家に興味を持ったのがきっかけです。



2)指揮者でなければ何の仕事をしていたと思いますか?
数学または医学の研究者…かな?
3)オフの⽇のリフレッシュ⽅法、過ごし⽅を教えてください。
映画やドラマ、バラエティ番組を見たり、漫画を読んだり。
4)新しい曲に取り組むときは、まず何からはじめますか?
先入観を持たない状態で楽譜を開く。
5)「サマーミューザ」はどんな⾳楽祭だと感じますか?
バラエティに富んだプログラムを色々な指揮者やソリストで聴けるので、よくコンサートに通う方から、初めましての方まで楽しめる音楽祭だと思います。自分が実際に2018年にNHK交響楽団の皆様と演奏させて頂いた際には、ミューザ川崎の素晴らしい音響と音楽祭ならではのお客様の雰囲気で、とても特別なコンサートになったのを今でも覚えています。
6)今回演奏する曲のここは絶対聴いて!という「推し」ポイントを教えてください!
今回のプログラムの曲はいずれも聴きどころがぎゅっと詰まった曲になっていると思いますが、敢えて1曲あげるなら、他の3曲より聴く機会が少ないであろうタヒチトロット。この曲はわずか数分の曲ですが、ショスタコーヴィッチのオーケストレーションによって聴いていてふと笑みが溢れるようなチャーミングな曲になっていると思います。
7)今回共演するオーケストラ&ソリストの印象やエピソードがあれば教えてください!
東京都交響楽団の皆さまとは、何度か今までご一緒させて頂いていますが、引き締まった雰囲気や音色、そして音楽への真摯な向き合い方がとても印象的なオーケストラだと思っています。それと同時に、以前同じプログラムを何回かご一緒させて頂いた時に今度はどう来る?といった大人な遊び心も感じました。奥井さんとは初めての共演になりますので、どんな音楽を一緒に作り上げられるかとても楽しみにしています。


なんと、ミューザと同じ年生まれです。©Takahiro WATANABE
8)拠点であるドイツの生活で、面白かった・驚いたなど、印象深いエピソードを教えてください!
まず休む時は休む!日曜日にお店がやっていなかったり、緊急時でもバカンスなので…としばらく連絡がつかなかったり…仕事と休み、オンとオフがとてもはっきりしている感じがします。そのせいで1週間シャワーからお湯が出ないまま直らないなど苦労することもありますが…笑 他にも、例えば自分の意見をしっかり主張するということ。劇場の前の広場は頻繁にデモ等で、時には数千人が集まる集会になることもあるのですが、それぞれの人が色々なことに関心を持ち自分の意見を主張するのが当たり前なのだと改めて感じます。
9)ハノーファー州立歌劇場でのお仕事で、喜びや楽しさを感じる瞬間はどんな時ですか? 逆に苦労することはどんな時ですか?
ハノーファー州立歌劇場では1シーズンに約50公演、プロダクション数で言うと7-8個を担当するのですが、リハーサルをしっかり出来るプロダクションもあれば、ほとんどないプロダクションもあります。そんな中で、時にはさらにジャンプインの歌手と共に、その場でしか出来ないものを作り上げていくのが醍醐味です。もちろん、時には上手くいかず苦労することもありますが、それが上手くいってその日にしか出来ない特別なものが出来たなと思えれば喜びや楽しさを感じます。


10)お客様へのメッセージをお願いします!
サマーミューザの枠でミューザ川崎の舞台に立たせて頂くのは久しぶりでドキドキしていますが、素晴らしい東京都交響楽団の皆様と奥井紫麻さんと名曲に溢れた素敵なプログラムをお届けできること今から楽しみにしています。皆様と会場でお会いできることを心待ちにしています!