山本康介(振付)からのメッセージ 『星の王子様』によせて~秋山和慶先生へ~
2025.07.17
7月29日(火)18:30開演 洗足学園音楽大学 公演で振り付けを担当されている山本康介さん。
プログラム2曲目のプロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番は、昨年共演した故秋山和慶マエストロへの想いを込めた振り付けとなっています。その想いを伺いました。

本学園100周年の記念すべき昨年のバレエコースの前期公演で演出振付を担当した際に、秋山先生とご一緒させていただきました。グラズノフの『四季』と『ライモンダ』のリハーサルや公演を通して、先生の探究心や余裕のある抑揚、そしてエスプリ に溢れた人間性に助けられました。
先生の悲報を聞き、バレエコースがいただいたインスピレーション、先生自身と音楽家としての生き方に改めて敬意をバレエと音楽というかたちで表したく、2度の大戦を経験し飛行士でもあったフランスの作家、サン=テグジュペリの『星の王子さま』を選びました。この作品の中の「大切なものは目に見えない」というフレーズは、世界のリーダーたちも行先の舵取りが難しい現在、僕たちの価値観としていつも心に留めておかなければならないものです。そして「大切なもの」を見失わず、追い続け、音楽を愛した先生へのオマージュにしたかったのです。



【プログラムから抜粋】プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 〜星の王子さま〜について
(プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番は)ヴァイオリンの技巧をあますところなく引き出した名曲で、変化に富んだ曲想に寄り添うように、「星の王子さま」の世界が広がっていく。
「奇想天外、悪戯で優しく、そしてどうにも変えられない運命に対する怒り……。けれど最後にはその全てが自分の一部となりながらも遠ざかっていくようなこの音楽が、作品のストーリーラインをかたどっていきます」(談:山本康介)