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「人を裏切る」台本を~大山大輔インタビュー(MUZAジルベスターコンサート2019)

令和元年の大晦日はぜひミューザでコンサートの聞き納めを。今回、喜歌劇「こうもり」ハイライト版でファルケ博士役および台本・構成を担当する大山大輔さんにお話を伺いました。

ヨーロッパの歌劇場の大晦日の定番の演目であり、また、いつ上演しても楽しい喜歌劇《こうもり》。そのハイライトを僕の台本・構成で上演します。
僕がベートーヴェンを演じた2016年の「MUZAジルベスターコンサート」でも台本を担当しましたが、いつも台本のネタのために、携帯電話におびただしい数のメモをしています。寝ている間もいいセリフが思いついたら起きてメモしますよ。お客様に笑っていただきたい、そのために、作品に即しつつ「人を裏切る」台本を書きたいといつも思っています。今回は大晦日に《こうもり》という時点で「期待通り」なので、そこをどう攻めるか、ただいまアイデアを練っています。

大山さんがベートーヴェンを演じた「MUZAジルベスターコンサート2016」(C)青柳聡

物語は、「こうもり」というあだ名をつけられたファルケ博士が、その原因をつくったアイゼンシュタインに仕返しするというもの。僕はアイゼンシュタインを演じたこともありますが、ファルケの「物静かな仕掛け人」タイプの方が合っているようです。台本も書くのですから、ファルケのように「自分の手の内でみんなを転がす」ことになりますしね。
アイゼンシュタインを演じるのは村上公太さんです。上品ぶっているけれど下心があるオヤジがしっぺ返しをくらう、というアイゼンシュタインのキャラクターが、公太さんの、ややすっとぽけたかんじに合っていますが、公太さんは本来かっこいい主役を演じるテノールです。そんな彼をどこまでからかうか、公太さんファンは必見です(笑)。

村上公太さん

アデーレは小林沙羅さんです。小林さんはミューザにもたびたび出演していますし、妖艶な魅力のあるロザリンデの柴田紗貴子さんとの組み合わせは絶妙だと思います。

2016年12月の「名曲全集」に出演した小林沙羅さん(C)青柳聡

柴田紗貴子さん

日本語で上演しますが、実は60年ほど前まで日本のオペラはそれが定番だったので、特別なことではありません。今でも喜歌劇は日本語上演が多いですし。日本語ならば芝居のやりとりがダイレクトに分かって、物語を気軽に楽しむのにうってつけです。
令和初の大晦日、前半はチャイコフスキーの名曲、後半は《こうもり》、と二本立ての演奏会です。《こうもり》は「シャンパンの泡で憂鬱を吹き飛ばせ」という思いを込めて作曲された作品でもあります。休憩時間にはシャンパンを召し上がりながら、年越し前のひとときをぜひお楽しみください。
(取材・文 榊原律子/友の会会報誌「スパイラル vol.62」より転載)

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