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ミューザ川崎シンフォニーホール
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ホールで味わうジャズとブラジル音楽の魅力

2023.10.16

From_Muza

かわさきジャズ2023のロゴ

【謹告】(11/9更新)

本公演に出演を予定していましたイリアーヌ・イリアス(ピアノ&ヴォーカル)は、足に重大な怪我を負い、医師から渡航及び演奏の停止を言い渡されたため、来日ができなくなりました。 そのため、第1部出演のリアンドロ・ペレグリーノ(ギター)、マーク・ジョンソン(ベース)、ラファエル・バラータ(ドラムス)も来日を見合わせることとなりました。これに伴い、公演の第1部は「山中千尋トリオ (featuring シンサカイノ& ダニエル・バエデール ) with special guest MARIANA」に変更して実施させていただきます。
イリアーヌ・イリアスの演奏を楽しみにしていたお客さまには、ご期待に添えず、誠に申し訳ございません。また、本記事をお読みになる際は、以上をお含みおきの上ご覧ください。
出演者及び内容変更等につきましては、下記よりご確認ください。

出演者及び内容変更のお知らせ
公演詳細はこちら:11月19日(日) 18:00開演かわさきジャズ2023 A night of Brazilian Music

取材・文:原田和典(音楽ジャーナリスト)

「ジャズは橋を架ける」をキーメッセージとして、2015年に開始。川崎市全体をひとつの大きなジャズのステージとして捉え、さまざまな角度からこの音楽の魅力を紹介し、あらゆる人々をこの音楽のとりこにしてしまおうというプロジェクト「かわさきジャズ」が今年もクライマックスを迎える。11月19日に行われる最終公演のタイトルは、「A Night of Brazilian Music & Jazz」。グラミー賞とラテン・グラミー賞の双方に輝くピアニスト/ヴォーカリストであるイリアーヌ・イリアス率いるグループと、トランペッターのエリック・ミヤシロが音楽監督を務めるオーケストラ“BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO”によるダブルビル・コンサートだ。

第1部に登場するイリアーヌは、ブラジル・サンパウロ出身。ボサ・ノヴァやサンバへの深い愛情を反映したセンスの良い音作り、クラシック音楽で培われたピアノ・タッチの美しさ、ジャズの即興性が共存するスタイルは、まさしく彼女ならではのものといっていいはずだ。アルバムの内容も、最新作『クワイエチュード』のようにブラジル音楽をテーマにしたもの、チック・コリアやチューチョ・バルデスらとピアノ競演を繰り広げた『ミラー・ミラー』などのジャズもの、ヴィラ=ロボスやショパンの楽曲を奏でた『オン・ザ・クラシカル・サイド』など多岐にわたるが、今回は「イパネマの娘」などブラジル生まれの名曲を中心としたプログラムで、たっぷり魅力的な音世界に引き込んでくれることだろう。ベースはもちろん、最後期のビル・エヴァンス・トリオの一員だった夫君のマーク・ジョンソンが担当。1980年代から第一線に立ち、日本でも「ブルーノート東京」や野外フェスティヴァルなど数々のステージで観客を沸かせてきたイリアーヌの、待望にして希少なホール公演は、アコースティック・サウンドの奥深さを最大限に伝えるものとなるはずだ。

BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA 画像
BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA

第2部では、“BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO”のステージが楽しめる。音楽監督を務めるエリック・ミヤシロは米国ハワイ州出身のトランペッターで、少年の頃に“ハイノート・トランペットのカリスマ”メイナード・ファーガソンに認められ、その後バディ・リッチ楽団、ウディ・ハーマン楽団、メル・ルイス楽団等で演奏したキャリアの持ち主。1989年に来日し、自身のEM BAND、小曽根真featuring No Name Horsesを始めとするさまざまなアンサンブルで活躍、セッション・ミュージシャンとしても実績を積んだ。その腕利きが、多種多彩な音楽生活で得たノウハウを注ぎ込んだといっても過言ではないのが、BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRAなのだ。

エリック・ミヤシロに直撃取材をおこなったところ、嬉しい言葉が返ってきた。

「ミューザ川崎は程良いリヴァーブ(残響)の秒数を持っていて、バンドで演奏したときの反響が最高なんです。しかも生音が会場の最後席まで届くので、とても好きなホールのひとつですね。宮本貴奈さんと出会ったのは比較的最近なのですが、まったく壁を持たない方で、すぐに昔から友達だったような気分になりました。才能に富むアーティスト、ソリストであると同時に、コンピング(伴奏)が素晴らしいんです。大編成に適したコンピングを行うには、和音やハーモニーに対する深い理解が必要となります。その点、貴奈さんはオーケストラ・アレンジもなさる方ですし、安心して任せることができます。本田さんと英二郎は、僕にとって戦友というか、本当に長年、信頼している仲間です。“俺が俺が”というタイプではなくて、引き際も心得ていますし、音楽そのものをしっかり理解して、瞬時に最上の表現をしてくれます。言葉がいらない感じですね。このような素晴らしいメンバーといつも一緒にできることに、僕は深く感謝しています」

エリック・ミヤシロ 画像
トランペット、コンダクター/エリック・ミヤシロ

演奏曲目にはチック・コリア作「スペイン」、ジョー・ザヴィヌル作「バードランド」、いっそう再評価が進む鍵盤奏者・作曲家である和泉宏隆が遺した「宝島」等を予定。しかもラストでは、イリアーヌたちとの共演も行われる。

「イリアーヌとオーケストラは以前、ブルーノート東京で共演したことがありますが、彼女の歌声と管楽器のコンビネーションは鳥肌が立つほど美しいものでした。A Night of Brazilian Music & Jazzは、ブラジルの音楽とジャズを中心に、とても幅広いスタイルが楽しめる公演になることでしょう。“オールスター”という名前に恥じないメンバーで音を奏でて、すべてのお客様に満足して帰っていただけるような素敵なコンサートにしたいと思っています」

秋の夜長に、ホールで味わうジャズとブラジル音楽の魅力。グッド・ミュージックを求める聴き手にとって、最高の一夜になることは間違いない。

A Night of Brazilian Music & Jazz

【日時】

  • 2023.11.19(日) 18:00開演(17:00開場 ロビーコンサート17:20~17:40)

【出演】

  • <第1部>※出演者が変更となりました(11/9)
  • デザフィナード、イパネマの娘 ほか
  • ピアノ:山中千尋
  • ベース:シンサカイノ
  • ドラムス:ダニエル・バエデール
  • ヴォーカル:MARIANA *スペシャル・ゲスト
  • <第2部>
  • スペイン、バードランド、宝島 ほか
  • ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ directed by エリック・ミヤシロ
  • トランペット、コンダクター:エリック・ミヤシロ
  • サクソフォーン:本⽥雅⼈、⼩池修、米澤美玖、高尾あゆ、渡邉瑠菜
  • トランペット:中野勇介、⼩澤篤⼠、⼭崎千裕、具志堅創
  • トロンボーン:中川英⼆郎、⾼井天⾳、石橋采佳、⼩椋瑞季
  • ピアノ:宮本貴奈
  • ベース:川村⻯
  • ドラムス:岩瀬⽴⾶
  • <ロビーコンサート>
  • ピアノ:小沢咲希
  • ベース:安田幸司
  • ドラムス:安藤正則

公演詳細ページはこちら

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