休館前ラストコンサート!『祝祭のオスティナート』レビュー
2019年1月15日から、ミューザ川崎シンフォニーホールは半年間の休館(設備改修工事)に入っております。
その前日14日に、休館前のラストコンサート『祝祭のオスティナート』が行われました。
”オスティナート”とは、とは音楽用語で一定のリズムやメロディーを続けて何度も繰り返し、曲が展開されていく音楽形式のこと。
半年間の休館は挟みますが「これからも素敵な音楽を奏でる”場”として続いていく!」という願いを込めて、タイトルがつけられました。
ミューザのシンボルであるパイプオルガン、そして移動ができる小型のオルガンポジティフオルガンが大活躍したこのコンサート。
使ったのはこの2台だけではありません。
盛岡市からやってきたレガール(ガルニエ社製)。
そして、木村オルガン工房製作・所有のポジティフオルガン。
4人のオルガニスト、4台のパイプオルガンで繰り広げられました。
レガールは、ふいごを手動で操作する楽器。
アシスタントがふいごを上げると、ふいご自体に設置されている重りによって一定スピードで空気が押し出されていきます。
2つのふいごをタイミング良く持ち上げて、常に空気が送り込まれている状態にしていかなくてはいけません。
オルガニストと呼吸をしっかり合わせる必要があり、アシスタントも”一緒”に演奏する楽器、といえます。
パイプは鍵盤1つ1つに1本ずつ対応しています。とてもかわいらしい楽器でした。
今回出演したオルガニストたちも、実物を見るのははじめてでした。
コンサートはロバーツブリッジ写本に残された、作者不詳の作品「エスタンピー」からスタート。
さっそく4台の楽器が大活躍。
レガールの音から神秘的にはじまって、4台で華やかに終曲。
その後、2台オルガン、3台オルガンの共演、大オルガンの連弾。
そしてもちろん、それぞれのオルガニストのソロ演奏もたっぷり堪能いただきました!
ラストは再び4台のオルガンを使って、シメオン・テン・ホルト作曲「カント・オスティナート」でフィナーレ。
消え入るラストに、客席がヒュッと息を飲むのを感じました。
割れんばかりの拍手に、オルガンたちもよろこんでいたに違いありません。
今回の休館中、ミューザのオルガンはメンテナンスを施します。音色に手を加え、より豊かな響きになる予定です。
メンテナンスの様子も、随時お伝えいたします!
それでは休館あけ、再び皆様とお目にかかるのを楽しみにしております!