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ワークショップレポート「みずいろのスマイル」ができるまで その⑤(最終日)

2021.08.08From_Muza サマーミューザ


ワークショップレポート その1
ワークショップレポート その2 
ワークショップレポート その3
ワークショップレポート その4 から続く

7月13日(火)ワークショップ最終日

これまでの全てのワークショップの記録映像から、たくさんの素材を受け取って、ベン・セラーズがオーケストラで演奏される曲を完成させた。
出来上がった仮縫い状態の曲の楽譜を携えて、ファシリテーターの池野博子(声楽)、大松暁子(ヴァイオリン)のほか、別のグループで活動していた南條由起(ヴァイオリン)、東京交響楽団の新澤義美(パーカッション)も駆け付けた。

生徒もそろったところで、ベンがこれまでの活動をビデオにまとめていたものを、全員で視聴する。ベンがモニターの中から生徒たちに呼びかける。
「みなさんこんにちは、ベンです。僕はまだ英国にいます。こっちは、このとおり雨が降ってる。みなさんからもらった音楽を集めて、味付けをしました。塩こしょうを少々、それにハートを加えて、みなさんのケーキもね。そして、それを全部合わせて、曲をつくりました。聞いてみたい?」
ベンがコンピューターで打ち込んだ楽曲のスケッチを再生する。

映像の中から流れる、はじめて聞く自分たちの曲。
曲の中で、名前にのせた音楽、合奏での祭囃子に似たリズム、パーティでの歌、さまざまなシーンがよみがえった。
そこには、メロディやリズムだけでなく、生徒たちの表情や息づかい、教室の空気までもが音となって、隅々に織り込まれている。
生徒たちも気づいて反応する。
サキは、「さっきんきょ」のテーマを見つけて、手拍子で合いの手を入れる。

池野が「こんどは、みんなでこの曲を演奏してみようよ」と呼びかけると、「ええ~!?」と驚きながらも、生徒たちの目は輝いている。
それぞれがトーンチャイムや、太鼓、iPadを手に合奏の練習をした。
準備をして、息をあわせて、タイミングをみて、皆で、きれいな音を一緒に鳴らすのは楽しい。音楽家と生徒、先生によるアンサンブル、中央支援オーケストラだ。

楽曲について意見を出し合い、相談してタイトルは「みずいろのスマイル」になった。テーマカラーは水色だ。
こうして、中央支援学校の生徒と先生、音楽家のアイデアがひとつの形になった。

高校3年のメンバーは、卒業後の進路にむけた職業実習や研修などで欠席することもあった。
まもなく夏休みを迎える生徒達、音楽とともに過ごした放課後の思い出は、彼らのなかにどのように残るだろうか。

そして、ファシリテーターにとっても、このワークショップは大きな経験となった。
英国で四半世紀にわたり障害のある人の音楽活動をサポートしてきたドレイク・ミュージックとは違い、日本ではまだまだこうした活動は始まったばかりだ。
8月9日にこの「みずいろのスマイル」を含む「かわさき組曲」が、東京交響楽団によりお客さんの前で演奏される。
この音楽がどのように受け止められるのか、楽しみでならない。

★ファシリテーターからの感想

・池野博子

 中央支援学校の子どもたちはとても活発で、Day1の時点で私たちの想像を超えるポテンシャルを発揮してくれました。その後もDay4までの間に私たち音楽家と関係性を築き一緒に音楽を作ることができ、「鑑賞」というあまり動きがないアクティビティにおいても、曲から想起した自らの感情を言葉にしたり、AIDAに登場する人物に(=自分以外の他者)想いを馳せ、理解しようと努めていました。このことはその場にいた音楽家のみならず、スタッフも全員が驚いた瞬間でした。
 子どもたちは様々な「初めて」に遭遇していたと思います。子どもたちが泣きだしてしまう場面もあり最初は戸惑ってしまったのですが、だんだんこれが彼らの「今まさに乗り越えようとしている反応なのではないか」と思えるようになってきました。もちろん先生方がフォローしてくださっている安心感があってこそこのように感じられるようになったのですが、じっくり待ってみると泣いていた子どもたちが一転して「がんばる」と言って前に進もうとしていました。それを見て私も守りに入らずチャレンジしようと決めました。このことで、以前だったら「間違えたらどうしよう」とか「上手くいかなかったらどうしよう」と二の足を踏んでしまうようなところを迷うことなくリードしたり、音にしたりすることができたように思います。それを繰り返すうちに自分の中で何か自由を獲得したような、そんな気持ちになっています。
 例えば、最終日にサポートに入った学校では私はピアノと歌を担当していました。ワークショップ終了時に薄くピアノでビートを刻んでみました。それはワークショップが行われていた音楽室から廊下に出たときにまるで線を引いたように別の世界へ戻っていくのではなく、その境界線を曖昧にするようなグラデーションの時間を作りたいと考えたからです。そこに同じくサポート役をしていたヴァイオリンが加わってくれました。すると一人の子どもが太鼓のところに行って演奏し始めたのです。そして自然な即興のセッションがはじまりました。これはドレイク・ミュージックが初めて日本でワークショップを行ったときにも起こったことでした。その時はその場にいた全ての音楽家や参加者、スタッフが一体となって感動的な演奏になっていった、今も忘れることができない体験なのですが、それと同じ事を自らの働きかけによって実現することができました。以前の私は即興に対して心理的ハードルを感じていましたが、5回のワークショップを通してそれを乗り越えることができたのかもしれません。

・大松暁子

 最後のワークショップを終えて、一番心に残っているのはみんなの笑顔です!
回を重ねる毎に、みんなの反応がどんどんよくなって、最後には素晴らしい合奏ができました。
今回はメインファシリテーターが池野さんだったので、私はサポートする側にいて、子ども達と一緒にいる事も多く、客観的にも全体を見る事ができました。
 ワークショップでは「先生」と「生徒」にしたくないと思っていましたが、どうしてもファシリテーターが先生っぽいのが気になり、なるべく私は生徒側にいるようにしていました。
目の前で目を見て接するのも大切ですし、みんなに指示を出さなくてはなりませんが、隣で寄り添う事も大切だと改めて感じ、意見を聞いたりするのも、隣で世間話しながら引き出すようにしてみました。いっぱいお話してくれて嬉しかった!
 想定外なのは、思っていた以上に子どもたちと打ち解けたこと!
 全然喋らなかった子が話をしてくれたり、目で訴えてきたり、やりたい事を教えてくれたり、嬉しかったです。


©British Council

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