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【選挙公報】センター争奪、灼熱のアリアバトル!!

2018.08.09サマーミューザ


いよいよ明日に迫った東京ニューシティ管弦楽団公演「センター争奪、灼熱のアリアバトル」!
6名のオペラ歌手が、前半で得意の持ち歌を披露し、休憩時間にお客様による投票を行います。そしてコンサートの最後で一番得票の多かった歌手が「乾杯の歌」のセンターで歌います!
1位の歌手を投票したお客様の中から抽選で1名に、「モエ・エ・シャンドン」ボトル1本をプレゼント!ぜひふるってご参加ください。

6名の歌手の意気込みが詰まった選挙公報をぜひご覧いただき、お気に入りの歌手を見つけてください!

公演詳細はこちら

【レポート】猛暑の夏!バロックも熱い!トン・コープマンの白熱教室

2018.08.05From_Muza


取材・文:宮本 明(音楽ライター)

いよいよ夏本番を迎えた三連休初日の7月14日。振り返ってみれば日本列島を「危険な暑さ」が襲い始めたその日、ミューザ川崎シンフォニーホールでは、バロックの巨匠トン・コープマンによる公開講座「トン・コープマンのバロック音楽談義」が、こちらも熱く開催された。一昨年に実施した企画の好評を受けての二度目の開催であり、さらに前日の同ホールでのコープマンのオルガン・リサイタルのチケット購入者は入場無料という超お得なスペシャル・レクチャーとあって、ざっと400人ほどの熱心な参加者が集まった。この種の講座としては異例の盛況といってよいだろう。そもそもバロックのレクチャーを、大ホールで開催するというのがふるっている。
全体は、前半が講義、後半が若い音楽家への公開レッスンという構成。ステージ上にはチェンバロが置かれ、コープマンは、オランダ訛りなのか、少しクセの強い英語で話し、通訳を、鍵盤楽器奏者の大塚直哉が務めた。

コープマンのバロック音楽談義

7/14(土)コープマンのバロック音楽談義。通訳は大塚直哉(左)

前半の講義のお題は「通奏低音」と「レトリック(音楽修辞学)」。
まずは通奏低音の基本から。
「通奏低音奏者は、原則的に左手のバス声部が書かれた一段の楽譜と、その上に記された数字を見て演奏します。数字は和音を示しています。ときに数字が書かれていないこともあり、そのときは奏者が自分で考えながら和音をつけてゆきます」
コープマンが初めて通奏低音を弾いたのは14歳のときで、その後アムステルダム音楽院でレオンハルトに師事するが、(通奏低音に関しては、ということなのか)「レオンハルトではなくアシスタントの先生から習った」のだそう。
そしてまた、通奏低音についての多くは、ヨハン・ダーフィト・ハイニヒェンの大著を始め、ヨハン・マッテゾンやフリードリヒ・エアハルト・ニート、フランチェスコ・ガスパリーニら、18世紀のドイツ、イタリアの代表的な理論書を読み漁って学んだという。実際このあとの講義中にも、先人たちからのさまざまな引用が頻繁に登場して、さすがの博学ぶりをうかがわせた。

「今日はここにチェンバロがあります。フルートやリコーダーなど、音量の小さな楽器と演奏するとき、チェンバロはすぐに『うるさい!』と言われます。オーケストラのティンパニと一緒ですね」
と、ひとしきり笑いを取りながら続けるコープマン。
「一番役に立ったのは(フリードリヒ大王のフルート教師だった)ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツの本です。『通奏低音は基本的に4声で弾きなさい』。彼もうるさいチェンバロに悩まされていたのですね(笑)」
つまり弾き過ぎないこと。ソリストのように振る舞うのではなく、「良き従者であれ」と説く。とはいえ、コープマン自身も「通奏低音うるさい!」という苦言には少なからず不満を抱き続けてきたらしい。
「通奏低音は、奏者の即興だから文句を言われるのです。たとえば、バッハ自身が伴奏パートの音符を書いた『フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ』を弾くとき、バッハの音符がどんなにうるさくても、誰も文句を言いません(笑)。つまりは私たちも勇気を持って弾けばいいのです!」

軽やかなスピード感で疾走する演奏そのまま、ときに笑いを交えながら、快活な口調は止まらない。そしてこのあたりからは、内容も主として、実際に通奏低音を弾く人のためのヒントというべきものになった。コープマンの言葉もいよいよ熱を帯び、具体的な例を挙げながらの勉強法を伝授する。われわれ一般の音楽ファンには必ずしも理解できない部分もあったものの、音楽の「現場」に立ち会えるような感覚でうれしい。

レッスンの様子。自らチェンバロを弾いてみせるコープマン。

レッスンの様子。自らチェンバロを弾いてみせるコープマン。

予定の時間があっという間に過ぎ、2番目のテーマ「レトリック」についてはかなり駆け足になったが、キーワードは「聴衆とのコミュニケーション」。自分自身のレトリックで「聴衆とコミュニケートすること」が大切だと語った。
後半は、3組の受講生が登場しての公開レッスン。最初の2組はどちらもバリトンとチェンバロのデュオで、J.S.バッハの独唱カンタータ《裏切り者なる愛よ》BWV 203から第1曲と第2曲をそれぞれ、3組目はフルート・トラヴェルソ、ヴァイオリンとチェンバロで、J.S.バッハのトリオ・ソナタBWV 1038を演奏した。
「ちょっと私に弾かせてみて」と、何度も弾いてみせる。
「私のほうが正しいと言うつもりはありません。通奏低音は自由なので」という彼の言葉に従うなら、弾き手によって選ぶ音符が違う、通奏低音の面白さが全開で示される。受講生たちの演奏に比べて、コープマンの「お手本」は、ずっと音の数が少なく、シンプルで、そして雄弁だ。隣席のご夫婦は、「当たり前だけれど、やっぱり全然違う音楽になる。すごいわよね」と囁いてため息を吐いていた。まったくそのとおりで、前半のレクチャーで話題にした「うるさいチェンバロ」はまったく聴こえない。
もちろん、終始ただ控えめに弾くのがよいというわけでもないようだ。「聴衆はいつも同じ音量でばかり聴きたくありません」と、音量の変化の重要性を説いた。チェンバロは打鍵による音量のコントロールはできないから、ここで声部、音数の出番だ。両手の十指で弾ける、単音から10声まで、和音に変化をつけることで、魔法のように見事にダイナミクスの幅が広がる。

チェンバロの屋根の角度を調節する様子。

チェンバロの屋根の角度を調節する様子。

生徒たちが演奏している間もせわしなく動き回って、チェンバロの屋根の開閉角度で聴こえ方が違うことを実証してみせたり、フルートやヴァイオリンのチューニングのための基音を出すときには、「チェンバロは伸ばしているうちに音が減衰して低く聞こえるから、繰り返し連打してあげたほうがいい」といった「現場」的なアドバイスも交えたり。とにかく次から次へと、常に「何か」を思いついてやってみせる。まさにコープマンの「人と芸術」が凝縮されたようなひと時。音楽の専門家や学習者ならずとも、またぜひ見たい聞きたいと感じさせる、バロック音楽の魅力あふれる白熱教室だった。大満足。
なお、大塚の通訳は、彼自身このジャンルの第一人者であるだけに、内容を適宜補いながらの実にわかりやすい秀逸なインタープリターぶりで、聴講者の理解を大いに助けてくれたことを添えておきたい。

テューバ:田村優弥さんインタビュー(8月12日 東響フィナーレ公演に出演)

2018.07.27From_Muza , 「スパイラル」バックナンバー , サマーミューザ


オーケストラと協奏曲を演奏するソリストを発掘する「ミューザ・ソリスト・オーディション2016」は金管楽器を対象として開催され、テューバ奏者の田村優弥さんが合格しました。
そして、田村さんは「フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2018」の東京交響楽団フィナーレコンサートにソリストとして登場します。
演奏する曲は、「スター・ウォーズ」など映画音楽で有名なアメリカの作曲家ジョン・ウィリアムズのテューバ協奏曲。
テューバを演奏する人も、そうでない人も、必聴です!

テューバ:田村優弥

テューバ:田村優弥

全音符ひとつで感動させられる楽器
それがテューバ

田村優弥さんは各地で活躍中のテューバ奏者で、東京交響楽団に客演したり、ミューザにも2015年のサマーミューザで吹奏楽の演奏会や、オーディション合格後の昨年11月MUZAランチタイム&ナイトコンサート60に東響金管五重奏団の一員として出演しています。
田村さんがテューバを始めたきっかけは小学5年生の頃、のちに入学することになる中学校の吹奏楽部(全国大会常連校)が学校にやって来て、その演奏に衝撃を受けて「自分がやりたいのはこれだ!」と思ったそう。中学に入学し、吹奏楽部の顧問の先生に会うなり楽器は「問答無用でテューバになりました(笑)」。
テューバの先輩がおらず、手探りで始めたものの「合奏体の中でドラマを作るのがテューバの役割」と分かるとのめり込み、高校も吹奏楽部の強豪校へ。そして東京藝術大学を卒業しました。
テューバは、田村さんいわく「“ある”と“ない”では音楽が全然違うように聴こえる楽器」だそうです。
「音楽の幅・奥行きをさらに広げることができるのがテューバです。合奏の彩りや色合いを表現するために低音楽器はとても重要。たったひとつの全音符で感動させられる、それがテューバの魅力です」

2017年11月東京交響楽団金管五重奏ナイトコンサート60

2017年11月 東京交響楽団金管五重奏ナイトコンサート60公演から (撮影:青柳聡)

テューバの可能性を感じてください

サマーミューザで演奏するジョン・ウィリアムズのテューバ協奏曲は、ヴォーン・ウィリアムズの作品と並ぶテューバ協奏曲を代表する名作で、ここ10年ほど国際コンクールの課題曲にもなっている作品とのこと。曲は秋山マエストロからの指定ですが……
「僕も、合格したらこの曲を吹きたいと思ってオーディションに応募したんですよ。今年バーンスタイン生誕100周年ですからアメリカ・プログラムとしてこの曲があるかな、と期待していたらまさにその通りになって、しかもサマーミューザのフィナーレコンサートだなんて最高です。この曲はオーケストラで演奏される機会も録音も実は少なく、あっても独奏はテューバでなくバス・トロンボーンだったり。ですから今回は貴重な機会です」
そもそもテューバの協奏曲は演奏機会が少ないですが、田村さんがオーケストラと協奏曲を演奏するのは2回目だそうです。
「今年2月、地元の栃木県でヴォーン・ウィリアムズの協奏曲を吹いたのが最初です。そして今回ジョン・ウィリアムズ。いつか吹きたいと思っていた2作が1年にして実現する2018年は、自分にとって間違いなく記念の年です」

作品の聴きどころをうかがいました。
「第1楽章は、浮遊感のあるオーケストラの宇宙的な響き。その中でテューバは意思の強いフレーズを吹きます。第2楽章はセンチメンタルな楽章。メロディックな中に切なさを感じます。第3楽章はオーケストラとテューバがせめぎ合う、スリルある楽章です。多用される8分の5拍子がオーケストラの推進力とはまると、グッと面白くなると思いますよ」

まだ20代の田村さん、どんな音楽家を目指しているのでしょう。
「テューバのソロの素晴らしさを多くの人に知っていただけるよう努力したいです。と同時に、僕は合奏が好きなので、オーケストラに入ることが夢です。オーケストラの中でテューバを演奏するのはほぼ1人ですから、僕の演奏の良し悪しを判断するのは、聴衆の皆様と、ともに演奏する他の楽器の方々。なので“テューバってこんなにも音楽的なのか”“美しい” と感じていただける音、音楽を目指しています」

フィナーレコンサートがとても楽しみです。
「どなたでも楽しんでいただける素敵な作品です。テューバの可能性を感じていただけたら嬉しいです」

(取材・文:榊原律子/ミューザ友の会会報誌「スパイラル vol.57」より転載)

 

■8/12(日)東京交響楽団フィナーレコンサート 公演情報
8/12(日)15:00開演  会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:秋山和慶
テューバ:田村優弥(ミューザ・ソリスト・オーディション2016合格者)
ヴォーカル:幸田浩子、中川晃教
PROGRAM
J.ウィリアムズ:オリンピック・ファンファーレ
J.ウィリアムズ:テューバ協奏曲
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
バーンスタイン:「キャンディード」から抜粋
バーンスタイン:組曲「キャンディード」(C.ハーモン編)
バーンスタイン:ディヴェルティメント
公演詳細はこちら

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TEL044-520-0200

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