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ミューザ川崎シンフォニーホール
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【インタビュー】その日、その空間にしかない音楽を、お客様と一緒に作り上げたい―上岡敏之 (新日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督)

2016年から新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督を務めている上岡敏之。
約3年間を共に過ごしてきて、フェスタサマーミューザでその成果を披露できる喜びを語った。


●家族のように過ごし、響きが深まってきた
新日本フィルにとっては、自分のようなタイプの指揮者は珍しかったと思います。それでも僕の考え方によく耳を傾けてくれて、共に様々な挑戦を繰り返すことで、新しい響きが深まっていると感じています。指揮者はオーケストラの上にいるのではなく、一緒に音楽を作っていくというスタンスです。喜びも悲しみも共有しながら、ひとつの共同体としてより良い方向に進むように日々努めていくという意昧では、家族との関係性と似ているかもしれません。そういった積み重ねから、ヨーロッパの楽団のような音色や演奏スタイルが、この3年で身についてきている手応えがあります。今回はロシアの名作で、その成果を披露できることを楽しみにしています。

●小川典子さんと新日本フィルと、ロシアの名旋律を
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は甘美な曲というイメージがあるかもしれませんが、僕は暗いロマン性をより感じています。小川典子さんとは、個人的には今回が初共演になります。小川さんのような名ピアニストとの共演は願ってもない機会で、オープンな感覚で臨むことで、フェスタならではの一期ー会のラフマニノフになると思います。
プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」はバレエ音楽です。僕はオペラやバレエは視覚的要素がどうしても欲しくなるのですが、今回はあえて音楽だけ取り出すことで、聴く方にどれだけ情景が浮かぶように表現できるのか、新鮮なチャレンジになります。いまの新日本フィルの表現力で、この作品の名旋律と、美しくも悲しいストーリーを堪能していただければと思います。

この場にしかない音楽をお客様と一緒に作り上げたい
ミューザ川崎シンフォニーホールというすばらしい会場で、素敵な名作を演奏できることを嬉しく思います。ミューザでは他の会場とは違う響き、特にすばらしい弱音が出せます。大声を出さなくても全体に声が聞こえる、というイメージです。この会場独特の特徴が面白く、僕たちの本拠地すみだトリフォニーホールとは違う音作りになるでしょう。音楽は常に変わるものでないといけないと常々考えているので、その日、その空間にしかない音楽を、ミューザのお客様と一緒に作り上げることができたら、この上ない喜びになります。

(フェスタサマーミューザKAWASAKI 2019 7月28日新日本フィルハーモニー交響楽団公演プログラムより 取材・構成=林昌英)

【公演情報】
2019. 7.28 (日) 18:00開演
(15:00開場/15:30~最長16:30公開リハーサル/17:30本開場
出演/
指揮:上岡敏之(新日本フィルハーモニー交響楽団 音楽監督)
ピアノ:小川典子

曲目/
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲から
・モンタギュー家とキャピュレット家 (第2組曲)
・少女ジュリエット (第2組曲)
・ジュリエット (第3組曲)
・ロメオとジュリエット (第1組曲)
・僧ローレンス (第2組曲)
・タイボルトの死 (第1組曲)
・別れの前のロメオとジュリエット (第2組曲)
・ジュリエットの墓の前のロメオ (第2組曲)
・ジュリエットの死 (第3組曲)

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