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ほぼ日刊サマーミューザ2021 こちらからお読みいただけます

2021.08.08サマーミューザ , ほぼ日刊サマーミューザ , サマーミューザ


毎年大好評! サマーミューザの期間限定日刊紙「ほぼ日刊サマーミューザ」は、今年も期待にお応えして発行いたします。
今年はこちらのページに最新号およびバックナンバーを掲載いたします♪

▶ほぼ日刊サマーミューザ2021 コンテンツ紹介
〈コンサートレビュー〉
プロカメラマンによる公演写真や名だたる音楽評論家・音楽ライターの皆様のご協力による
最速レビューをお楽しみに。

〈パートナーショップのグルメレポート、スタッフ日誌、etc.〉
裏面はサマーミューザやコンサートをもっと楽しむコンテンツ。それぞれの記事はミューザの制作、広報、管理、舞台、受付、チケットセンターなどあらゆる部署のスタッフが執筆しています。

〈夏音クイズ〉
ミューザやサマーミューザ出演者から毎日Twitterで出題。
これを見ればサマーミューザがもっと楽しくなるかも?
何問解けるか挑戦!

バックナンバー(PDFファイルが別ウィンドウで開きます)

7月22日_第1号(みんな大好き夏音号)1.7Mb
7月23日_第2号(開幕の響きは、大いなる冒険の始まり号)956Kb
7月24日_第3号(交錯し火花を散らすクラシックとジャズ号)1.8Mb
7月25日_第4号(ボレロで圧倒的大団円!号)1.2Mb
7月26日_第5号(金メダル級スーパープレイ号)1.1Mb
7月27日_第6号(圧巻の「新世界」号)1.0Mb
7月28日_第7号(鈴木雅明×読響のロシア・プロ号)1.8Mb
7月30日_第8号(川崎に吹き抜けたウィーンの風!号)1.2Mb
7月31日_第9号(若人たちの熱気あふれる舞台!号)1.2Mb
8月1日_第10号(コンビ6年の成果ここにあり!号)1.8Mb
8月3日_第11号(ミューザの夏はバッハの夏!号)1.6Mb
8月4日_第12号(神奈川フィルの力を存分に引き出す快演号)1.8Mb
8月5日_第13号(京響初登場!豊麗な古都の風号)1.9Mb
8月6日_第14号(ひさびさのマーラー 気合の大管弦楽が鳴り響く号)1.2Mb
8月7日_第15号(バッティストーニの底知れぬ情熱に大興奮!!号)1.1Mb
8月8日_第16号(心震える「エグモント」号)1.6Mb
8月9日_第17号(これを聴き逃すのはもったいない!号)1Mb
8月10日_第18号(人間から地球へ ~ 持続する「共生」を音楽で描く!号)1.5Mb

ワークショップレポート「みずいろのスマイル」ができるまで その⑤(最終日)

2021.08.08From_Muza , サマーミューザ


ワークショップレポート その1
ワークショップレポート その2 
ワークショップレポート その3
ワークショップレポート その4 から続く

7月13日(火)ワークショップ最終日

これまでの全てのワークショップの記録映像から、たくさんの素材を受け取って、ベン・セラーズがオーケストラで演奏される曲を完成させた。
出来上がった仮縫い状態の曲の楽譜を携えて、ファシリテーターの池野博子(声楽)、大松暁子(ヴァイオリン)のほか、別のグループで活動していた南條由起(ヴァイオリン)、東京交響楽団の新澤義美(パーカッション)も駆け付けた。

生徒もそろったところで、ベンがこれまでの活動をビデオにまとめていたものを、全員で視聴する。ベンがモニターの中から生徒たちに呼びかける。
「みなさんこんにちは、ベンです。僕はまだ英国にいます。こっちは、このとおり雨が降ってる。みなさんからもらった音楽を集めて、味付けをしました。塩こしょうを少々、それにハートを加えて、みなさんのケーキもね。そして、それを全部合わせて、曲をつくりました。聞いてみたい?」
ベンがコンピューターで打ち込んだ楽曲のスケッチを再生する。

映像の中から流れる、はじめて聞く自分たちの曲。
曲の中で、名前にのせた音楽、合奏での祭囃子に似たリズム、パーティでの歌、さまざまなシーンがよみがえった。
そこには、メロディやリズムだけでなく、生徒たちの表情や息づかい、教室の空気までもが音となって、隅々に織り込まれている。
生徒たちも気づいて反応する。
サキは、「さっきんきょ」のテーマを見つけて、手拍子で合いの手を入れる。

池野が「こんどは、みんなでこの曲を演奏してみようよ」と呼びかけると、「ええ~!?」と驚きながらも、生徒たちの目は輝いている。
それぞれがトーンチャイムや、太鼓、iPadを手に合奏の練習をした。
準備をして、息をあわせて、タイミングをみて、皆で、きれいな音を一緒に鳴らすのは楽しい。音楽家と生徒、先生によるアンサンブル、中央支援オーケストラだ。

楽曲について意見を出し合い、相談してタイトルは「みずいろのスマイル」になった。テーマカラーは水色だ。
こうして、中央支援学校の生徒と先生、音楽家のアイデアがひとつの形になった。

高校3年のメンバーは、卒業後の進路にむけた職業実習や研修などで欠席することもあった。
まもなく夏休みを迎える生徒達、音楽とともに過ごした放課後の思い出は、彼らのなかにどのように残るだろうか。

そして、ファシリテーターにとっても、このワークショップは大きな経験となった。
英国で四半世紀にわたり障害のある人の音楽活動をサポートしてきたドレイク・ミュージックとは違い、日本ではまだまだこうした活動は始まったばかりだ。
8月9日にこの「みずいろのスマイル」を含む「かわさき組曲」が、東京交響楽団によりお客さんの前で演奏される。
この音楽がどのように受け止められるのか、楽しみでならない。

★ファシリテーターからの感想

・池野博子

 中央支援学校の子どもたちはとても活発で、Day1の時点で私たちの想像を超えるポテンシャルを発揮してくれました。その後もDay4までの間に私たち音楽家と関係性を築き一緒に音楽を作ることができ、「鑑賞」というあまり動きがないアクティビティにおいても、曲から想起した自らの感情を言葉にしたり、AIDAに登場する人物に(=自分以外の他者)想いを馳せ、理解しようと努めていました。このことはその場にいた音楽家のみならず、スタッフも全員が驚いた瞬間でした。
 子どもたちは様々な「初めて」に遭遇していたと思います。子どもたちが泣きだしてしまう場面もあり最初は戸惑ってしまったのですが、だんだんこれが彼らの「今まさに乗り越えようとしている反応なのではないか」と思えるようになってきました。もちろん先生方がフォローしてくださっている安心感があってこそこのように感じられるようになったのですが、じっくり待ってみると泣いていた子どもたちが一転して「がんばる」と言って前に進もうとしていました。それを見て私も守りに入らずチャレンジしようと決めました。このことで、以前だったら「間違えたらどうしよう」とか「上手くいかなかったらどうしよう」と二の足を踏んでしまうようなところを迷うことなくリードしたり、音にしたりすることができたように思います。それを繰り返すうちに自分の中で何か自由を獲得したような、そんな気持ちになっています。
 例えば、最終日にサポートに入った学校では私はピアノと歌を担当していました。ワークショップ終了時に薄くピアノでビートを刻んでみました。それはワークショップが行われていた音楽室から廊下に出たときにまるで線を引いたように別の世界へ戻っていくのではなく、その境界線を曖昧にするようなグラデーションの時間を作りたいと考えたからです。そこに同じくサポート役をしていたヴァイオリンが加わってくれました。すると一人の子どもが太鼓のところに行って演奏し始めたのです。そして自然な即興のセッションがはじまりました。これはドレイク・ミュージックが初めて日本でワークショップを行ったときにも起こったことでした。その時はその場にいた全ての音楽家や参加者、スタッフが一体となって感動的な演奏になっていった、今も忘れることができない体験なのですが、それと同じ事を自らの働きかけによって実現することができました。以前の私は即興に対して心理的ハードルを感じていましたが、5回のワークショップを通してそれを乗り越えることができたのかもしれません。

・大松暁子

 最後のワークショップを終えて、一番心に残っているのはみんなの笑顔です!
回を重ねる毎に、みんなの反応がどんどんよくなって、最後には素晴らしい合奏ができました。
今回はメインファシリテーターが池野さんだったので、私はサポートする側にいて、子ども達と一緒にいる事も多く、客観的にも全体を見る事ができました。
 ワークショップでは「先生」と「生徒」にしたくないと思っていましたが、どうしてもファシリテーターが先生っぽいのが気になり、なるべく私は生徒側にいるようにしていました。
目の前で目を見て接するのも大切ですし、みんなに指示を出さなくてはなりませんが、隣で寄り添う事も大切だと改めて感じ、意見を聞いたりするのも、隣で世間話しながら引き出すようにしてみました。いっぱいお話してくれて嬉しかった!
 想定外なのは、思っていた以上に子どもたちと打ち解けたこと!
 全然喋らなかった子が話をしてくれたり、目で訴えてきたり、やりたい事を教えてくれたり、嬉しかったです。


©British Council

©British Council

かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブル プロジェクトページはこちら

ワークショップレポート「みずいろのスマイル」ができるまで その④

2021.08.07From_Muza , サマーミューザ


ワークショップレポート その1
ワークショップレポート その2 
ワークショップレポート その3 から続く

第4回目(7月5日)
ウェルカムミュージックは、前回のワークショップでみんなで作った「ケーキの歌」をファシリテーターの二人が演奏。
今回のワークショップに参加できない東響メンバーからはビデオレターが届いた。

8月9日に演奏される曲のための素材を子どもたちから引き出すのがこのワークショップの目標だが、このグループは前回までにたくさんの素材が集まっており、ベンからのアドバイスもあって今回は「音楽をとにかく楽しむ」ことをテーマにした。
「ケーキの歌」に合わせてボディパーカッションでリズムを体で表現した後、2つのグループに分かれて、1グループはヴァイオリン体験。もう1グループは、ドレイク・ミュージックが実践するテクノロジーを使ったアプローチの一つである、iPadの体験を行った。

前回音楽家が奏でていた美しい音色を出すヴァイオリン、それをはじめて自分が手にして、生徒たちの目が輝く。
やさしく一つの弦を弾き続ける生徒もいれば、ダイナミックに重音を鳴らす生徒も。持ち方や弾き方を教えてもらいながら、飽きることなく弦の響きや弓の感触を楽しんでいた。

iPadグループでは、前回生徒たちが描いたケーキのイラストをタッチすると音が出るアプリ(サムジャム)を使って、思い思いの音を奏でる。
生徒たちは慎重に音を確かめ、音色を選び、いつしか即興でメロディを奏でていた。

ドレイク・ミュージックはインクルーシブな音楽アクセス向上の取り組みとして、デジタルテクノロジーを活用する。また、テクノロジーを駆使したアクセシブル(近づきやすさやアクセスのしやすさ、利用しやすさなどの意味)な楽器開発も行っている。こうした取り組みは、「ミュージシャンを楽器に合わせるのでなく、楽器をミュージシャンに合わせる」というポリシーに基づいている。

2つのグループがお互いの成果を披露すると、ヴァイオリンを持っていた生徒もたちまちiPadに魅せられた。
はじめての《楽器》に触れたことで、生徒たちも嬉しく、新鮮な体験になった様子。
感想を聞くと、生徒と先生は口々に「たのしかった」「おもしろかった」と教えてくれた。
音楽家と過ごした4回のワークショップが終了。
次回は、ベン・セラーズが書き上げつつある新曲の一部を実際に音楽家が演奏し、生徒たちに聞いてもらうことを約束した。

★ベンとのフィードバックにて
4回のワークショップを通じて、教室からはたくさんの素材が収集できていて、ほぼ曲の構成は出来上がっている。
最終的なフレーズのチェックや、次回のプログラム構成についての確認に加え、話はワークショップの音楽的/社会的評価測定についてや、継続的な活動に向けての課題、音楽家がかかわる意義にまで及んだ。
次回はこれまでの活動を振り返り、出来上がった音楽を聴いてもらうことになる。付け加えたり、変えたい部分があったら生徒たちに聞いてみてほしい。全員で合奏もしてみよう。

ワークショップレポート その5へ

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