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オフィシャルブログ

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障害を語ることを恐れないープログラムに込めた特別な思いを語る(指揮者 原田慶太楼)

2021.08.02From_Muza , サマーミューザ


8月9日東京交響楽団フィナーレコンサートで演奏する「かわさき組曲」には、58名の”作曲者”がいる。それが「かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブル プロジェクト」だ。川崎市内3つの特別支援学校の生徒27名と18名の教員、そして13名の日英音楽家が5月から7月にかけてのべ20回に及ぶワークショップを行った。彼らすべてが作曲家なのである。
障害のあるなしに関わらず、誰もが創造性を発揮できる社会を目指すこのプロジェクトに賛同し、指揮を振るのが東京交響楽団正指揮者の原田慶太楼氏だ。

7月28日に行った本プロジェクトの記者説明会で、原田氏が語った思いをお伝えしたい。

(原田慶太楼さんのコメント)
僕は幼なじみの友人をきっかけに、障害に関心を持ちました。彼は、10歳ごろになって障害があることがわかったのです。
それからずっと、障害のある人に対して僕が何をヘルプできるのか考え、また実践してきました。
大学では音楽のほかに児童心理学も専攻したのもそれが理由です。
障害のある人たちへの音楽家によるボランティア活動にも参加しましたし、オーケストラではゲネプロに障害のある子どもたちを招待したこともあります。彼らは感情を体や声で表すので、どれだけ走り回っても、声を出してもいいよと言って来てもらうのです。障害がある子どもたちに対して、音楽へのアクセスを作りたかった。

差別というものがどういう感情なのかよくわかっています。アメリカで、アジア人差別をまさに経験しているからです。
日本には差別がないと思っている人が多いですが、それは間違っています。障害や差別について、オープンに語ることを避ける方が多いですよね。
語られないから差別がないのではない。むしろその逆です。
ですから、今回のプロジェクトの話を聞いた時にすぐに賛同しました。障害のある人もない人も一つになって音楽をつくるというのは素晴らしいことです。

よくご存じと思いますが、僕はプログラミングに非常に強いこだわりを持っています。
今回のコンサートも、こだわって作りました。

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ヴェルディ:歌劇「アイーダ」から 凱旋行進曲とバレエ音楽
かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブル かわさき組曲~アイーダによる(世界初演)
アダムズ:アブソルート・ジェスト
吉松 隆:交響曲 第2番「地球(テラ)にて」(改訂稿/4楽章版)
=====

本当は、「かわさき=ドレイク・ミュージック」のプロジェクトは2020年に行うはずでした。
参加した子どもたちも音楽家もオーケストラも、一緒にステージに乗って演奏するはずでした。しかしそれはコロナ禍により叶いませんでした。
昨年は「シェヘラザード」を題材とする予定でしたが、今年は「アイーダ」にしました。
なぜ「アイーダ」か。それは、2021年が初演から150年、そしてヴェルディの没後120年だからです。
そしてこの曲にインスパイアされた「かわさき組曲」は初演です。3つの記念年となるのです。
アダムズの「アブソルート・ジェスト」にはベートーヴェンの交響曲や弦楽四重奏曲のモチーフがコラージュされています。
皆さんお忘れかもしれませんが、ベートーヴェンも聴覚障害者です。ですから、この曲を選びました。
そして最後の吉松隆作曲、交響曲第2番「地球(テラ)にて」。これは、レクイエムの曲です。戦争も描かれます。
この曲を選んだのは、現在、コロナ禍で大勢の方が亡くなっている世界的な状況があるからです。
平和ではないから、平和を大事にしなくてはならない。

今回のコンサートは、おそらく後に、ブレイクスルーの最初の一歩として振り返ることになるでしょう。
障害のある人とない人関係なく、みんなが一つになって音楽を作り、そして特別な場ではなく、通常のコンサートの中の1曲として演奏すること。
障害について語ることをみなさん避けないでください。堂々とやりましょう! たくさんの感動を持ってきたいと思っています。
—7月28日 かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブルプロジェクト 記者説明会にて

公演情報はこちら
かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブル プロジェクト

ワークショップレポート「みずいろのスマイル」ができるまで その①

2021.07.30From_Muza , サマーミューザ


2021年8月9日、フェスタサマーミューザKAWASAKI 2021のフィナーレコンサートで東京交響楽団による演奏で世界初演を迎える新曲《かわさき組曲》は、今年5月から7月にかけて、川崎市内の特別支援学校3校の生徒27名と18名の教員、そして13名の日英音楽家が、のべ20回の音楽づくりワークショップを行い、オペラ《アイーダ》の音楽をインスピレーションに曲づくりを進めました。《アイーダ》の豊かな音楽に触れ、生徒たちと音楽を通してさまざまな心理や感情を表現することを探求しながら、一緒に音楽を奏でる喜びを感じる時間を過ごしました。生徒たちが生み出すリズムやメロディ、思い思いに奏でる音を集めてできた曲は、生徒の個性や創造性だけでなく、ワークショップの雰囲気も捉えた作品になっています。

かわさき組曲 (2021)
1 ふしぎなポケット
2 えがおになれるばんそう
3 みずいろのスマイル
4 きいろとりどり

作曲者:かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブル プロジェクト参加者
【田島支援学校 桜校】生徒:5名、教員:4名
【田島支援学校 本校-1】生徒:7名、教員:4名
【田島支援学校 本校-2】生徒:6名、教員:4名
【中央支援学校】生徒:9名、教員:6名
【音楽家】池野博子 大松暁子 武田国博 南條由起 浜野与志男 宮野谷義傑 / 東京交響楽団:蟹江慶行 鈴木浩司 多井千洋 中村楓子 新澤義美 久松ちず
【ドレイク・ミュージック】ベン・セラーズ

プロジェクトについて詳しくはこちら

このレポートでは、3曲目となる「みずいろのスマイル」を作った中央支援学校でのワークショップを振り返ります。

ワークショップレポート その1

第1日目(5月25日)

中央支援学校のワークショップ参加者は、同校の「放課後音楽部」のメンバーだ。音楽が好きな高校2,3年生の9名。
生徒たちを出迎えたのはファシリテーターの大松暁子によるヴァイオリン演奏。
生徒たちは緊張の面持ちで部屋に入ってきた。知らない音楽家との出会い。これから何をするのか?という期待と戸惑い、不安。泣き出してしまう生徒もいる。感情が繊細で、豊かなのだ。
ワークショップを担当する2名のファシリテーター、大松暁子(ヴァイオリニスト)と池野博子(声楽家)が自己紹介し、英国のアート団体「ドレイク・ミュージック」のベン・セラーズからのビデオレターが流される。本当は一緒にワークショップに参加予定だったが、来日はかなわなかった。「ロンドンにいるけど、みんなに会いたいよ」というメッセージに、「来ればいいのに!」と答える生徒も。

何しろ、緊張の初対面だ。まずは相手を知って「仲良くなること」から始めるため、この日は生徒一人ひとりの名前を使ったメロディづくりを行った。名前が持つイントネーションや語感などを音として表現し直すアプローチである。
名前を教えて欲しいという問いかけにも反応はさまざまだ。すぐに手を上げ、元気よく名前を教えてくれる子。〇〇ちゃんいきなよ、大丈夫だよ、と、友達に声をかける子。いざ前に出てみたらかたまってしまって、みんなに応援される子。得意なパプリカのダンスを披露してくれる子。

それぞれの“名前のメロディ”に合わせて、楽器の音を重ねたり、リズムにのってカラダを動かしたり、みんなで手拍子をしてみたり。そうやって、ひとつのメロディをベースにどんどん音をふくらませていく。たとえば生徒のひとり「さき」は、先生にサポートされながらマイ・リズム「さっきんちょ、さっきんちょ、さっきん・ちょ X X(手拍子)」を作った。印象的なそのフレーズがくり返し飛び出す。

このワークショップでは事前に用意された楽譜はなく、すべての音はその場で生み出される。生徒たち一人ひとりの個性が音に、そして最終的には曲に反映されていく。

音楽を使って、交流を図るシーンもあった。音楽家が「アイーダ」や「威風堂々」を演奏してみんなで行進したり、生徒たちからはこれまでの音楽部の活動で踊った曲や好きな曲をヒアリングしたり、「〇〇ちゃんこれ得意だよね」といいながら、「USA」や「パプリカ」、NiziUの曲などを踊ってみたり。生徒たちが親しんでいる音楽を知り、音楽家も生徒たちとの世界の接点を模索する。その繰り返しの中で、少しずつコミュニケーションが生まれていく。次回はもう少し仲良くなれるかもしれない。

ワークショップの前後には、生徒たちをどうサポートすればいいのかをオンラインミーティングでロンドンのベン・セラーズと日本の音楽家たちでじっくり話しあう。
ドレイク・ミュージックは障害のある人とのアートプロジェクトの経験が25年以上に及ぶ。経験豊かなベンからの示唆はとても貴重だ。

★ベンからのフィードバック
生徒たちがとても前向きに参加している。楽しい面白いことをしてくれるという期待を感じている様子だ。
生徒たちによって表現の方法はさまざまなので、言葉だけではなく、表情や動き、サポートの先生の様子を観察しながら、音楽家側が一人ひとりにチューニングしていくとよい。共感力が高い、積極的な子たちなので、ストーリーを一緒につくり音楽で表現する方法はどうか。彼らの中から音楽がでてくるきっかけや動機を探ってみよう。

(次回に続く)

ほぼ日刊サマーミューザ2021 こちらからお読みいただけます

2021.07.22サマーミューザ , ほぼ日刊サマーミューザ , サマーミューザ


毎年大好評! サマーミューザの期間限定日刊紙「ほぼ日刊サマーミューザ」は、今年も期待にお応えして発行いたします。
今年はこちらのページに最新号およびバックナンバーを掲載いたします♪

▶ほぼ日刊サマーミューザ2021 コンテンツ紹介
〈コンサートレビュー〉
プロカメラマンによる公演写真や名だたる音楽評論家・音楽ライターの皆様のご協力による
最速レビューをお楽しみに。

〈パートナーショップのグルメレポート、スタッフ日誌、etc.〉
裏面はサマーミューザやコンサートをもっと楽しむコンテンツ。それぞれの記事はミューザの制作、広報、管理、舞台、受付、チケットセンターなどあらゆる部署のスタッフが執筆しています。

〈夏音クイズ〉
ミューザやサマーミューザ出演者から毎日Twitterで出題。
これを見ればサマーミューザがもっと楽しくなるかも?
何問解けるか挑戦!

バックナンバー(PDFファイルが別ウィンドウで開きます)

7月22日_第1号(みんな大好き夏音号)1.7Mb
7月23日_第2号(開幕の響きは、大いなる冒険の始まり号)956Kb
7月24日_第3号(交錯し火花を散らすクラシックとジャズ号)1.8Mb
7月25日_第4号(ボレロで圧倒的大団円!号)1.2Mb
7月26日_第5号(金メダル級スーパープレイ号)1.1Mb
7月27日_第6号(圧巻の「新世界」号)1.0Mb
7月28日_第7号(鈴木雅明×読響のロシア・プロ号)1.8Mb
7月30日_第8号(川崎に吹き抜けたウィーンの風!号)1.2Mb
7月31日_第9号(若人たちの熱気あふれる舞台!号)1.2Mb
8月1日_第10号(コンビ6年の成果ここにあり!号)1.8Mb
8月3日_第11号(ミューザの夏はバッハの夏!号)1.6Mb

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